2011年12月

2011年12月28日

京都・町で見かけた石のある風景(町の灯り)

京都で見つけた、石使いの報告も今日で最後ですが
締めくくりは「灯り」です。
ご紹介するのは商家の入り口に置かれた「石の灯り」です。
一般の家で言えば、門灯のようなモノでしょうか?
ちょっと灯籠風で、実に良い感じですね。

明かりの灯る部分は、木の格子で和紙風のガラス(たぶん)が填っています。
ネオンや蛍光灯の看板と違い、奥ゆかしくも風情があります。
町並みに合うと言うことは、こういう事なんでしょうね。

そして、明かりに調和するように、必ず玉砂利があります。
剥き出しの土やコンクリートに比べ
当たりが柔らかいというか?目に優しくって好きです。

数回に渡って、京都で見つけた"石使いの技"をご紹介ししてきましたが
どれも、現代建築とも調和の取れるアイディアだと思いました。
マンションの入り口に、「石の灯り」や「小石の築山」があったり
小さな空きスペースに「手水鉢」が置かれるだけで
どれだけ日々の生活が潤うだろう?なんて思いました。

今日で、六本木のギャラリーは冬休みに入ります。
今年一年、ご愛読ありがとうございました。
来年も、今年学んだことをカタチにしていきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願い致します。

来年こそは、皆様にとって良い年でありますように。

akari01akari02


inada_design at 10:12|この記事のURLComments(0)

2011年12月27日

京都・町で見かけた石のある風景(玄関まわり編02)

今日も昨日に続き、玄関まわりの石使いについて紹介します。

まずは、これは商家でしょうか?
お店の中で使うらしき大きな石の造作物が、外に出ちゃってますね。
チラッと天辺に金属の板が見えるから、やはりカメの様な道具なんでしょうか?
ちょっと読めませんが、石には屋号のような文字らしき刻みがあります。
もしかすると、上の格子が開いて小売りの窓になるのかも?
と言うことは、この石は看板であり受付台なんでしょうか?
まぁ、色々と想像させてくれる石の張り出しですね。

次は、敷石が味のあるお家です。
自然造形の踏み石が玄関前にあり、その周りに玉石が埋め込まれています。
石の間の土には苔が生えて良い感じです。
扉の両脇に、よしずを束ねた様な壁面があって、小屋根の上にも苔。
この感じと玉石が調和していていいですよねぇ。

最後は、これも商家でしょうか?
手前に石柱が立てられて、それが小塀となっています。
これもいいのですが、なんといってもここで面白いのは
奥に小石の築山の様なモノが見えることろです。
天辺には紅葉が植えられ、その足元には玉竜でしょうか?
緑が植えられて、実に風情があります。
外漆喰の白と相まって、いいですねぇ。

この玉石の築山はベランダに作っても愉しそうです。
たとえ幅の狭いベランダでも、こんな小石の築山があって、
そこに、一本植栽があれば、グッと優雅な佇まいになりそうです。

たった6件のお家の玄関をご紹介しただけですが
そこには、石に親しむ京都の暮らしが見えました。
この技は、現代建築ともきっとマッチしますね。
いや、勉強になりました。

genkan05genkan06genkan04

inada_design at 10:29|この記事のURLComments(0)

2011年12月26日

京都・町で見かけた石のある風景(玄関まわり編)

今日のネタは、京都の玄関まわりに見る石使いの技です。
一口に玄関と言っても様々ですが
とにかく京都の民家は門が無くて、いきなり入り口なんですね。
しかし、道路からちょっとしたスペースが必ず設けられ
そこには、見事に石が使われているんです。
そして、その意匠は様々。

まずは、横手が玄関になっているお家。
道路から、エントランス風に石の敷物があって、右手に入り口があります。
このエントランスの景色がいいです。
長い石板が縦に並び、棒グラフのようにリズムを刻んでいます。
そして、その奥に黒の玉砂利。そして鉢植えがひとつ。
更に奥には植栽があって、景色が奥へ奥へと誘って
ちょっとした奥行きなのに深いです。

次のは、石の狛犬が居ます。商家なんでしょうか?
それにしては看板がありませんね。民家で狛犬?意表を突かれました。
でも、道路から奥に向かって形状の違う石が三つ。
不揃いの美というか?いやぁ、なんだか面白いですね。

そして、最後が…これまた小技の妙があるお家です。
縁石との境界は、黒い玉石が線上に並び、間を縫うようにグリーンが顔を出しています。
そして、踏み石が二つ。
その奥には、頭を水平に磨いた茶色の玉石が直線に並びます。
そして、奥に踏み石が一つ。
左右に柱があって、柱を支える束石が一対。
こういう作法があるのでしょうか?それとも家人の趣味?

いずれにしても、石技が色々あって愉しいですね。

genkan01genkan02genkan03

inada_design at 14:22|この記事のURLComments(0)

2011年12月22日

京都・町で見かけた石のある風景(手水鉢編)

"写真で巡る京都の町"って感じで、USBの中のデータを愉しんでいて…
観光名所ではなく、人々が暮らす普段着の京の町中に
面白い石の造作を、あれこれ見つけました。
石屋目線でみると、普通の家にも、いろんな意匠の石があるのが
愉しくも、京都の奥深さだなぁと感心しましたので
ちょっとご紹介したいと思います。

まずは「手水鉢=ちょうずばち」です。
これは、言わずとしれた、神前・仏前で口をすすぎ
身を清めるための水の容器ですが
これが、庭ではなく家々の入り口に設置されているんですねぇ。
手水鉢に役石を置いた「つくばい」は、茶道で使われるため
茶室前に置かれたり、和庭園の添景物として設えたりしますが…
玄関脇になんの囲いもなく設置されていて、これが実にいい風情なんですねぇ。

見つけたのは、古色豊かな石組の手水鉢と
鉢のカタチや景色の作り方が、ちょっと和モダンな手水鉢です。
いずれも役石が置かれているわけでもないので
町を行く人の目を楽しませるのが目的なんでしょうねえ。

じっと見ているうちに、我が家の玄関先にも欲しくなってきました。
小ぶりで四角い手水鉢置いて、高低差のある石柱を立てて
玉砂利と石板で地面に景色を作ったら良いだろうなぁ。
紫式部や木賊(とくさ)を植栽したら…
あぁ、いいなぁ。
いつか、我が家にも作りたいですねぇ。

マンションのベランダ坪庭のアイディアとして絶好ですね。

tyouzubachi02tyouzubachi01





inada_design at 12:07|この記事のURLComments(0)

2011年12月20日

京都・石の道(その2)

昨日は、いろいろな石の道をご紹介しましたが
今日は、私のお気に入りの道です。

長く真っ直ぐな道に整然と御影石が敷き詰められています。
車道と思われる部分は大きな石組み。
歩道部分と思われるところは、細かな石組み。
そして、滑らないように、ちゃんとビシャン仕上げです。
このように手をかけた美しい道には
もちろん、センターラインやガードレールはありません。
歩道と車道を区分けるように、地面に描かれた様々な規制もありません。
民度が高ければ、そんなモノは要らないと言うことでしょうね。

そういえば、電柱も無いですね。
余分なモノを取っ払って、アスファルトを石に変えるだけで
街は、こんなに美しくなるんですねぇ。

もちろん、道幅の端にもコンクリートの縁石がありません。
そして、極めつけは塀です。不規則に組まれた石はアートのようです。
コンクリートブロックと違い、色もカタチも美しいですね。

道のある景色のどこを見ても石、石、石。
なのに、カタチといい素材の色といい、とても調和がとれている。
お見事と言うしかない景色なんです。すごいなぁ。

ishinomichi004ishinomichi005ishinomichi006

inada_design at 15:33|この記事のURLComments(0)

2011年12月19日

京都・石の道

年末なので、色々とデータ整理に勤しんでいました。
すると、USBデバイスの中に、今年の6月頃に
当社社長が京都・奈良を訪れた時の撮影データが入っていました。
新緑の京都はキレイだなぁ…などと見ていると
さすがは古都京都。いろんな意味で石文化が根付いていました。
そこで、私が斜め見た"石文化"を拾ってみました。
なかなか面白く探せたので、ちょっとご紹介したいと思います。

まずは、「石の道」と題して舗装路をピックアップしてみました。
最初は、高台寺さんの入り口。
真っ直ぐと石畳が続き、両脇は黒の玉砂利。
お庭の苔の緑との対比がキレイです。まぁ、石の道としては定番ですね。

次は五重塔へと向かう坂道の石畳です。
真っ直ぐではなく、少し揺らいだ感じがいかにも京の都らしい
なんだか、おおらかな道ですね。
石は茶系で煉瓦積み模様で、
これが揺らいだ道の曲線に合っていていい感じですねぇ。

最後は路地。道幅もグッと狭くなっていますが
その狭さを感じさせないように石組みが斜めになっています。
道中央の石の傾きが、先へ先へと誘うようで
おのずと道の奥へ視線が向かいますね。
なんだか、看板が突き出た細い道が、整然と見えてくるようです。

いずれの道もアスファルト舗装だと興ざめですが
こうして石貼りにするだけで情緒が増します。
京の技ですねぇ。

ishinomichi001ishinomichi002ishinomichi003

inada_design at 14:30|この記事のURLComments(0)

2011年12月16日

石のクリスマス・アクセ

今週は、勝手にクリスマス・アイテム特集と銘打って
あれこれとクリスマス関連のデザイン石のスケッチを載せていますが…
第4弾は、クリスマス・アクセサリーです。

まぁ、アクセサリーと言っても石屋の機械は大物用で
細かい細工には向いていないので、アイディア勝負なんです。
な〜〜んて大見得切って、お客様に「これが?」と言われたらどうしょう?
と、ちょっとビビッていますが…

まずは、大振りの安全ピンを用意します。
出来ればゴールドがイイですね。あっ、黒もオシャレかも?
で、イナダが用意するのは、
再三、名前が出てきているインドグリーンとニューインペリアルレッド。
あとは、白大理石の3色の玉石。もちろん貫通穴はあります。
これを、安全ピンに通すだけ。
ジャケットやコートのラペルに留めたり
マフラーに留めたりしたら、結構オシャレじゃないかと思います。
緑、赤、白の3色がクリスマスっぽいでしょう?

シーズンが終わっても使えるように、多色の玉を用意しても愉しいかなぁ。
貴石じゃなくて、石屋が扱う石の中にもキレイなのがたくさんあるので
その中から選んで玉を作っても良いかもしれませんね。
色もピンクやミントグリーン、濃い青など、なかなか良い色が揃いそうですから。

さて、こんなアクセいかがでしょうか……
あれ、2番目のスケッチちょっと変ですね。下側にはピンに玉が通せませんね。(汗)
上のピン先に玉が通ってないといけないのにね。
しまったなぁ。まぁイタズラ書きみたいなモノなので、お許しを。

pin0001pin0003pin0002

inada_design at 12:15|この記事のURLComments(0)

2011年12月14日

石のクリスマス・プレート

クリスマス・アイテム第3弾は、クリスマスの食卓を彩るお皿。
そう、クリスマス・プレートです。

カタチは、いかにもクリスマス!と言うヤツ。
だって、こう言うのはテーブルのアイコンなんだから
ひねりが利いてるモノより、おっクリスマスだなと判るものが良いですよねぇ。
そこで、モミの木タイプと星形の二つを考えて見ました。
これまた、石はインドグリーンとニューインペリアルレッドでしょうね。

こういうモノがテーブルにひとつあると、いやがうえにもテンションが上がります。
パーティ気分満々!
どうせなら、料理もクリスマスカラーのカプレーゼなんかイイですね。
普通は、トマトとモッツァレラチーズで作りますが、
ここにアボガドも加えると見た目もクリスマスカラーです。
しかも、トマトとチーズとも相性が良いので、グッと美味しくなります!
なんて、本題とズレちゃいましたが…

星形のお皿には、シーザーサラダがキレイかも?
振りかけたパルメザンチーズが粉雪みたいで
きっとパーティで受けますよぉ。

xmasplate01xmasplate02

inada_design at 10:50|この記事のURLComments(0)

2011年12月13日

石のクリスマス・ケーキ

クリスマス・アイテム第2弾です。
食べられないけど…石のケーキはカワイイかもなぁ?と言うワケです。

台座は、直径15cmほどの大理石にしようかと思ってます。
あらかじめ、6等分にカットしておきます。
その他に、赤い石で丸棒を作り…これは高さ違いで数本あったらいいかな?
大理石の玉砂利や、ミントグリーンやベージュ、
青いのや石榴石のような紫色など
カラフルで大きさもまちまちな小石をアソートして…
そうそう、メッセージが書ける石板もあった方が良いですよねぇ。
さてさて、手作りケーキキットの出来上がりです。

やっぱり、ケーキは出来合いのものより
あれこれ配色やカタチを考えて作った方が愉しいから
キットとして販売して、お子さんの伸びやかな感性でケーキを作ってもらおう!
というワケです。(もちろん大人が作ってもでもいいんですよぉ)
参考までに、ちょこっとラフスケッチを描いてみましたが
きっとお子さん達の作るものには負けますね。(汗)

ふとした思いつきでしたが
なかなか商品力ありそうな気が…?
クリスマスに限らず、誕生日にも使えて良いかもしれませんね。

cake001cake002cake003

inada_design at 10:43|この記事のURLComments(0)

2011年12月12日

石のクリスマス・オーナメント

もう、街はクリスマス一色ですね。
個人のお宅でも、玄関まわりが
リースやイルミネーションで彩られてキレイです。
考えて見れば、あと10日もすればクリスマスなんですね。

じゃぁ、と言うことで…
毎年恒例のクリスマス・オーナメントを考えてみました。
薄い石板を削って作るので、重ね気味にツリーにぶら下げて飾ると
お互いがぶつかって、カリンカリンと音が出るので
ちょっと愉しいかもしれません。

あれこれとスケッチしてみるものの…定番過ぎて新鮮味に欠けるなぁ
と、行き詰まってしまいましたぁ。

………。
そうか!今年は花ものにしようかな?
例えば、クリスマスローズ。うーん、八重は複雑すぎてダメだけど
一重の5弁の花ならいいかも。おしべやめしべ部分は穴を開けて表現。
石は、ニューインペリアルレッドでしょうか?

クリスマスと言えば、ポインセチアっていう手もありますね。
花全体だと、重くなりそうなので花びら一枚。
ギザギザした感じは、割りっぱなしで表現するのも野趣があってイイです。
これは、緑色のインドグリーンでもアリかも?

いろんなオーナメントを付けずに
モミの木にインドグリーンのクリスマスローズだけを飾る。
な〜〜んて、目立たない感じは、スタイリッシュかも?と自画自賛。

xmas001xmas002xmas003

inada_design at 11:45|この記事のURLComments(0)