2008年08月

2008年08月29日

クラシックな建物と石の優雅な関係

先日、取材で箱根に行きました。テーマは"リッチ・クラシック"。
旧男爵邸のホテルや皇室の別邸だった食事処などを訪ねてきました。
それぞれに、趣のある石使いがなされていて、そこには上質な時間がありました。
今日から、何回かに渡ってそんな石達をご紹介しようと思います。

まずは、山のホテル。
旧男爵邸の名残を残すエントランスやラウンジの暖炉など
石が効果的に使われているところが、たくさんあります。
今回は、そんななかでも王道ではなく、端っこって感じの石使いをお見せします。

授業員入り口とか、ホテルの納戸と言う感じの入り口なのに
この石使いです。アールの部分の石積みは、もちろん力学に則っています。
しかし、キレイですね。
一歩、ロビーに入ると漆喰と石積、濃い色の木柱、間接照明の白熱灯と
いやがうえにもクラシックで落ち着いた雰囲気が醸されます。
アメリカンホテルにはない情緒が溢れて居ます。
庭に出てホテルを振り返ると…外漆喰に石が合わされ
これもまた、実にイイ感じでした。

現代的な石もイイですが…
こういうクラシックな環境に長くある石は幸せかもしれませんね。
建物とピッタリあって、とても良いバランスでした。

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2008年08月27日

アートついでに、イサム・ノグチ

カード会社から送られてくる雑誌をペラペラと見ていたら
おっ、オシャレな庭石が映ってるなぁというページに出会いました。

よく読むと、かのイサム・ノグチの作品でした。
ニューヨークのロングアイランドシティにある
イサム・ノグチ・ガーデン・ミュージアムの庭園とのこと。
ここは禅の美学に基づく庭園とシンプルな工房が合体したような空間で
ここでしか見られない作品も多いらしいです。

写真の作品は、ノグチの代表作と言われ
三つに割ったモノリスを、もう一度組み合わせてひとつにした作品で
タイトルは「輝き」。
さすが、禅の美学の庭園に相応しいシンプルだけど奥が深い作品ですね。

こういうのに出会っちゃうと、圧倒されます。
見ちゃった後は、簡単に作れそうと思いますが…それじゃぁパクリでしょ。
コロンブスの卵じゃないけど、発想が全て。
深遠なる思慮が作品を創るんですねぇ。なんて、ちょっと真面目になっちゃいました。

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2008年08月26日

富山のお話しをちょっと

直接、石ネタに関係あるわけではないんですが…富山話をちょっと。

148さんに、行くなら船でと言われました"大牧温泉"に
お約束通り船でまいりました。
途中は、うっそうとした森が両岸に拡がり実にイイ感じでした。
ちょっとドイツ様式に見える川縁の建物が艶やか。

翌日は、瑞泉寺へ。
ここの山門は、消失した本山をを京の大工達が再建した後
地元の大工連が見事に再建したとのこと。
各所に優れた彫刻や紋様が施されていて、山門正面にの唐狭間の彫刻
「波に龍」や、「八仙」が彫られていて見事だったそうです。
石の彫刻と違い木彫も味わい深いですねぇ。

お約束の灯籠コレクションにパチリと撮ったのは
デカくドッシリとした風貌の山灯籠。
なんか台座がカボチャに見えません?
などと罰当たりなことを書いてるのは、行ってないからでしょうか?
代筆ですが…あってたでしょうか?(汗)

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2008年08月25日

富山で見つけた石アート

先週末、本社スタッフが富山に旅行に行きました。
そこで、週末だけ3日間オープンするというお食事処の店内に
石のアート作品がありました!とメールが届きました。

目を凝らしていると、いろんな処に石の新たな可能性が生まれているんですねぇ。
最初のはフラワーポットだと思われますが
卵が石の鎖に吊られているようで、なかなか味わい深いです。
一般家庭でも、玄関の吹き抜けなんかにアレンジすると、イイかもしれないなぁ。
石と流木のコラボも愉しいです。
庭には、石貨の様なオブジェもあったそうです。
パックマンみたいで微笑ましい。でも割石と磨きのバランスがなかなか凝ってて
自然石を置くだけでなく、アートするのは良いなぁ…と、思わせる出来です。

東京でもそうですが、ファッション店やレストランは
凝った石の使い方をして人目を惹くのが巧いですね。

こういうアイテムが廉価で出来て
普通のご家庭で愉しめるようになったらなぁ…というのが、イナダの夢です。

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2008年08月22日

大理石のぐい呑み

お客様からの預かりモノなんですが…白大理石の"ぐい呑み"があります。
これが、実にキレイなんです。
もっちりした白の大理石のなかに紅色が花びらのように散っています。
こういうのは、日本ではないですねぇ。
見るからに、ヨーロッパって感じです。

実はこれ、産出国は不明ですがベトナムで加工したという話でした。
で、厚ぼったいのでもう少し薄くなるように削って欲しいと当社に持ち込まれたのです。
でも、これが難しいんですよねぇ。
イナダでも以前、石のぐい呑みを木調石で創ろうと試みたんですが
どうしても厚くなっちゃうんです。
固い石ほど欠けやすいの、で薄くするのが難しいんですね。

機械が発達すると、こういうのも難なく出来るのかもしれませんが…
まだまだ、大変です。

きれいな石を見ると、自分だけのアイテムにしたくなるんでしょうね。
この気持ちは、すっごくよく分かります。
これからも、そんなアイテムを創るように頑張りますが
こんなもの欲しい!というアイディアも聞かせてください。
お役にたてるようにいたしますので。

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2008年08月20日

ストーンサークル(追記)

昨日のストーンサークルの記事を見て
本社から「業界誌にも載ってました」と連絡が来ました。
これは「月間石材」という雑誌に載ってそうですが
秋田県鹿角市にある特別史跡大湯環状列石(万座環状列石)です。

縄文時代後期(約4000年前)の遺跡で、
石の下からはお墓とみられる穴が見つかっています。
墓石石組みの起源といえるでしょう。という内容です。
こちらは、レプリカでなく石そのものが、そのままあるようです。

まぁ、ストーンサークルだけでなく、石の遺跡は世界中に在ります。
それこそ進化の過程では、石器時代という一時期があるわけで当然ですが
それにしても、古代の人力だけで創るというのは
ある種の熱情がないと出来ないわけで、信仰の力はスゴイですね。

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2008年08月19日

身近なところに石の遺跡が

今朝の朝日新聞に「町田市のストーンサークル」についての記事が載っていた。
イギリスで有名なストーンサークルが、こんな身近に在ったなんて!
ちょっとビックリしながらも、ロマンを感じちゃいました。

なんでも町田市小山町には東西9m南北7mの楕円状に石が並ぶ
いわゆる"環状石積遺構"が在り。
縄文後期から晩期にかけて築かれたようです。
冬至には丹沢山系で一番高い山に太陽が沈むのを眺めながら
縄文人が祭りの場としたのでは?と推測さているそうです。

もっとも本物は風化防止のため埋め戻されて、写真のはレプリカみたい。
ここが残念なんだけど、研究のためにはしょうがないかもねぇ。
しかし、遠い昔の遠い場所に在るモノだとばかりと思っていた
遺跡が、こんな都市部に残されてるなんてオドロキ!

遺跡もシンプルな方が残るんだねぇ。
イナダの創るデザインストーンもシンプルに限るかも?

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2008年08月18日

イラストレーターも石に興味津々?

夏休み中にペラペラと雑誌"イラストレーション"を眺めていたら
イラストレーターが石を素材に作っているのを見つけました。
当代人気イラストレーターの田代卓さんと山口マサルさんです。

6月の終わりから1週間ほど、この石テーマの展覧会を開催したようです。
もっと前に知ってれば!と、ちょっと残念な気が…見たかったなぁ。
なんでもキッカケは山口さんが知り合いの石屋さんに頼んで
石のイラストを作ったのを田代さんが見て、気に入って始めたようです。
一応、「手で運べること」を約束として
最大35cm重さ20kgを越えないことにしたそうです。
雑誌で見るだけでも、なにやら愉しそう!

イナダの目指す方向は"生活雑器・インテリア"なので
彫刻やモダンアートとは一線を画しているつもりですが…
こんなカワイイ石のイラストを見ると、デザイナーの血が騒ぎます。(笑)
こういうのも、いつか作ってみたいなぁ…などと思いながら
クリエータにとって石は有効な素材なんだなぁと感じました。

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2008年08月07日

ウィンドウで見つけた石使い

いつも通っている道なのに、見過ごすことがあります。
目白の坂にあるD310(デサント)のショップウィンドに
小洒落た石組があったのに今日気がつきました。

下の方は石を正面貼りして城壁みたいですが
途中から横組にして変化を出しています。なかなかキレイですねぇ。
ファッション屋さんは、石もオシャレに使うなぁと感心したわけです。
でも、よく考えてみればこのショーウィンドは
きっとリビングを模してるのでしょうから、家にこそ相応しいんですね。

リビングの一角に、こんな石組みがあったらオシャレです!
ねぇ、家を建てようという方はぜひ石組をどこかに使ってください。
きっとカッコイイ部屋になりますよぉ。

と言うわっけで…イナダでは、来週夏休みになります。
ブログ更新も1週間お休みです。また、遊びに来てください。
あした、更新できないかもしれないので…今日、お知らせしますね。

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2008年08月06日

細身のスリッパラックが欲しいんですが…

会社のスタッフに、そんなことを言われ…
ちょっと考えてみたのが、今日のネタです。

確かに玄関にドーンとあるラックは邪魔ですもんね。
そこでタワー型で考えてみました。
何のことはない、丸い穴を開けただけですが
意外にこういうのが使い勝手が良いんですねぇ。
前後をかみ合わせてセットしたスリッパを穴に挿すだけ
簡単ですが、これで落ちないんです。
サクサク使えてイイ感じだと思いますが…
まぁ、見た目通りにワインラックにしてもOKかも?

石製ですのでカラフルと言うわけにはいきませんが
シックな色合いは、夏のスリッパを引き立たせるかもしれませんね。

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